バリフライトツァー2006年6月-7月
Issue 2006.07.09
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2006.07.01(土)
今日も庭の椰子の木が騒いでいる。強風だ。12時10分にホテルを出発。クタのMIE88と言う麺屋さんに行く。ここで、毎回、ノニジュースを買っている。今日も3本買った。1本60,000
Rpだ。こちらの価格としては、高価だが、多分、日本で買うより、かなり安価だろう。
MIEスペシャル麺とマンゴジュースを頼んだ。マンゴジュースは、つい最近、始まったそうだ。季節物なので、雨季では無いのかな。
ぷーたさんがクトゥに電話したら、今日は、グヌンパイユテイクオフだそうだ。グヌンパイユに13時50分に着く。誰もいない。風は、昨日よりも弱そうだ。と言っても時々、30km/hrの風が入って来る。先日、ここでテイクオフする時にテイクオフ斜面の上に細い切り株が沢山あってラインが引っ掛かった。山沈セットのノコギリを出して、根元から全部切った。あちこちに生えている雑木もついでに切った。
クトゥもサポータも誰も来ない。ぷーたさんがジョンブローに電話した。少しして、若者のワヤンが来た。風は、やや強めだが、弱くなった時をみて立ち上げた。キャノピーが頭上に来たと同時に、左に傾き、身体ごと持ち上げられてしまい、そのまま引きずられてしまった。強風時のテイクオフの危険な光景だ。
次に、体勢を整えて、Bライザーを持ってキャノピーが上がるのを押さえて、徐々に、Bライザーを緩めた。頭上に来る前に、Bライザーを放して、ブレークコードでコントロールしてそのままテイクオフした。浮き上がると同時に、グングンと高度が上昇した。思ったより風は強い。だが、左右に自由に動ける。海にも出られる。そのままニッコウへ向かった。
ノーアクセルだと、5km/hr程度の対地速度だ。アクセルを踏むと12-14km/hr位でる。10分位かかってニッコウに着く。しかし、キャノピーが落ち着かずカメラを取り出せない。ニッコウ周辺は、かなりの強風だ。すぐに引き返した。帰りは、最大50km/hrの速度が出た。ニッコウからグヌンパイユまでの距離は短い。すぐにテイクオフ前に戻った。
ぷーたさんは、ニッコウホテルに携帯電話の充電器を預けてあったので取りに行った。私は、テイクオフ前で飛んだ。アクセルを踏まずに海に向かうと機体が進まない。GPSの対地速度は、2km/hrになり、0になって、徐々に、数値が増えた。下を見ると、後退している。即ち、GPSの対地速度は、プラス・マイナスの標示がないので、数値だけを見ても前進か後退が判明しない。特に高々度をフライトしている時には、地面の動きが良く分からないので、注意が必要だ。私は、GPSのMOBでテイクオフポイントを入れている。目的地をテイクオフにしておけば、テイクオフポイントからの距離を常に標示してくれる。海に向かって飛ぶ時に、前進しているならば、距離は大きくなる筈だ。後退しているなら逆に、距離は小さくなる。高度が低いので、地面の動きでも分かったが、数値は、確実に後退を示していた。
アルゴンのデザイン上の性能では、巡航速度は、36km/hr程度あるそうだ。そのままの性能が出るとは言えないが、この時、風は、それ以上あったことを意味する。勿論、アクセルを踏めば、前進する。ニッコウに着いたぷーたさんから無線が入った。「展望台に昇って来ました。風は、すごく強いです」「テイクオフ前も凄く強いです。降ろそうと思います」「了解」
高度を低くして、テイクオフ前からアプローチした。グヌンパイユでのトップランは、初めてだが、地形を良く見て、ローターに注意すれば、大丈夫な筈だ。後退し過ぎないように、アクセルで調整して、テイクオフの真ん中で立木の無い場所に移動した。アクセルを踏み込めば、浮力が減り、沈下する。左右のブレークコードを微妙に調整して、場所を決める。機体を安定させて、徐々に沈下させていく。このようなトップランの技術は、東京湾観音エリア・磯根崎で身につけたものだ。
ワヤンがいつでもサポート出来るように真下で待ち構えている。ワヤンの目の前にスーっとソフトランディングした。足が着くと同時に、両方のBライザーを思い切り引いて、キャノピーを降ろした。う〜ん、我ながら見事なトップランじゃわい。ギャラリーがワヤンだけと言うのは寂しいなあ・・・(^_^;)
思い返しても、バリでのフライトで、トリムスピードで後退したことは一度も無かった。今日の風は、私がバリでフライトした中で最高の強さの風だった。このような時は、他の人には、フライトを勧められない。私自身、飛んでいても楽しくないし、危険だ。リスクを負ってまでもフライトする意味は無いだろう。「楽しくなければ遊びじゃない!」
降りて少し休んで、近辺の情景を撮影した。ワヤンが「撮ってくれ」と言うので、海をバックに撮った。バリの人たちは写真が大好きだ。カメラを向けると笑顔でポーズをとる。撮った写真は、次回来る時にプリントして差し上げている。テイクオフの後ろの方に、トゲが鋭いサボテンやノコギリ椰子の葉がある。「こんなのに刺さったら痛そうだなあ」
クトゥが機体を持たずバイクで来た。少ししてぷーたさんがニッコウから戻って来た。展望台から私のトップランを見ていたそうだ。降りた瞬間に無線の指スイッチが押されて、私とワヤンの声が聞こえて、無事に降りたことを確認したそうだ。「あの強風で良くトップランしましたねえ」と感心していた。
クトゥが「ティンビスも正面から吹いている」と移動を提案した。ティンビスは、休むベンチもあるし、移動することにした。キャノピーをデカバックに押し込んで車に積み込んだ。ティンビスもやはり風は強い。GPSのセットとか機能の復習とか時間があるので色々と遊んだ。
子供達が大勢来た。ビデオカメラを向けると、皆、固まってピースをした。「写真じゃなくビデオなんだから動いてよ」と日本語で言ったって分かるわきゃないよね。一人ひとりに名前を言わせてビデオ撮影した。子供達の目はキラキラと輝いていてとても綺麗だった。日本人が訳の分からないことを喋っていると思っているのか、興味深そうに私の行動を見ている。撮影したビデオを再生して見せたら、皆、覗き込んで歓声を上げて喜んでいた。私の愛用ののど飴を1個ずつ上げた。袋から破ってすぐに口に入れたが、袋をそこに捨てる、私は、それを拾って歩いた。なんてこった(^_^;)
昨日から6日迄、この土地の「バザール」がある。ぷーたさんは、リナの旦那のサドゥに入場券を売りつけられたそうだ。18時半から始まるそうだ。二人で行く予定にしていた。時間がまだ早い。テイクオフの風は、17時50分になってやっと飛べる程度に下がった。しかし、もうすぐ暮れる。バザールに向かうことにした。
バザールの会場は、お寺の集会場だ。日本では「青年団」と言う感じだろうか。独身の女性・男性がヒンズーの正装で、臨時のレストランでウェイトレスやウェイターをしている。このような集会に日本人が来るなんて初めてなのだろう。長老がわざわざ、私たちの席に来て挨拶して暫く座り込んで話し込んだ。「良くいらっしゃいました」と握手を求められた。
そこに綺麗な美女が近づいて来て私の名前を呼んだ。「えっ?」驚いてその顔を見た。艶やかな正装をしたデシだった。いつも野球帽をかぶって化粧っ気もなく、ティンビスのベンチに座って飲み物の売り子をしているデシだが、今日は輝いていた。まず、ビンタンビールを頼んだ。デシがついでくれる。魅力的な美人のデシに接待を受けるのは嬉しいものだ。「デシも飲む?」と聞くと、飲んではいけないそうだ。注ぐだけだそうだ。でも、同じ席に座って「ホステス」をしてくれる。
クトゥ親子が来た。クトゥに「ビール飲む?」と聞いたら、残念ながらアルコールは弱いそうだ。飲めなくても構わないが、私は大好きなので、出来れば、飲めた方が嬉しいなあ。
日本語を話す精悍な青年が来た。ティンビスのエリア管理者のワヤンさんの息子のマデだ。日本語を勉強しているそうだ。日本人観光客を相手にした仕事をしているそうだ。お父さんのワヤンさんもハンサムだが、とても素敵な若者だ。
このようなバザールは、バリの人たちにとって「出会い」のきっかけの場ともなるらしい。でも、会場内を見ていると、女性グループ、男性グループと集まっていてなかなか交わらない。でも、長老とかが、気を利かせて仲を取り持ったりするらしい。こちらの青年たちは、純な人が多いようだ。でも、私がカメラを向けると、「ボクも、ボクも・・・」と割り込んで来てポーズを取る。う〜ん、写真が好きなんだなあ。
ビンタンビールを4本も飲んで、足りなくて、アラックも飲んだ。気分良く飲めた。ご馳走はたいしたことはないが、雰囲気と気持ちの好い接待で気分は上々でバザール会場を後にした。今日も貴重な体験をすることが出来た。これもぷーたさんのお陰だ。ありがとう。